秘書ログ

  • 2017年11月 1日 18:48

     本日召集された特別国会で自民党の安倍晋三総裁が首班指名を受け、第四次安倍内閣が誕生する。10月22日投開票の衆議院総選挙の結果を受けてのことだ。
     選挙戦では解散の意義である①北朝鮮問題(北朝鮮から日本を守れるのは自民党)、②子供たちの未来(消費税財源の一部を国の借金返済でなく幼児教育無償化に充当)が争点となったが、平議員も候補者として、自らの考える成長戦略のほか、これら2つの解散の大義を繰り返し訴えた。
     北朝鮮問題について、選挙期間中、平議員がネットメディア局長として取り仕切った自民党インターネット番組"カフェスタ"で、ゲストの河野太郎外務大臣(10/10出演)、小野寺五典防衛大臣(10/16出演)ともに、安倍政権が成し遂げてきた法整備の意義を強調した。その法整備とは、特定秘密保護法と平和安全法制。いずれも国会審議やマスメディアを通じては、法律の意義を十分に浸透できず、特定秘密保護法の場合は「上空を飛んでいるオスプレイを撮影してSNSに投稿すると特定秘密保護法違反で逮捕される」など他党の主張内容が根拠もなく流布された。言うまでもなく、法律施行後、実際に逮捕された例はない。この辺りの解説は、中谷議員がゲストのカフェスタ(2013/12/19放映)が詳しい。
     小野寺防衛大臣はカフェスタで、特定秘密保護法の施行前後の二度にわたって防衛大臣を務めてきたが、法律の成立後は国家安全保障会議における情報の質と量が格段に上がったと述べた。河野外務大臣も日本独自の情報と外国からの機微な情報を重ね合わせることで、より精緻な情報分析ができるようになったとした。これらは、特定秘密保護法によって秘密取扱者に対する罰則が1年以下から10年以下の懲役に強化されたため、同盟国が安心して日本に情報提供できるようになったことや、機微な情報の取り扱いを1つの法体系にまとめたことで情報の集約を行いやすくなったためと説明されている。
     特定秘密保護法の意義などは選挙で勝つため急に出てきたお題目ではないか。そういう勘繰りもあるだろう。しかし、解散から約1か月前の8月31日、菅義偉官房長官がBSの番組に出演した際にも「2014年12月に施行された特定秘密保護法により、秘密取扱者に対する罰則を強化したことなどで、外国から機微な情報が入ってくるようになった」と既に語っている。
     さて、小野寺防衛大臣は記者会見等で「11月にトランプ米大統領が中国を訪問したときの交渉結果によっては北朝鮮問題が深刻化する可能性がある」ということも述べている。国民からの負託に応えるべく、早々に第四次安倍政権の真価が問われる。その際、平議員がパーソナリティを務める月曜カフェスタが、メディアによって言葉の切り取りが行われることなく、生の情報を得て正しい情勢認識を促すインターネット番組として、引き続き有力なソースになることを付け加えたい。〈秘書W〉

  • 2017年6月21日 16:36

    「共謀罪法案はテロ対策にならない」「ちゃんと全文読んだのか」「条文にテロとは一言も出てこない」「秘書さんもしっかり勉強して」
     議員会館の国会議員事務所には、様々な団体・個人が日々陳情で訪れる。衆議院本会議で、組織的犯罪処罰法改正案、いわゆるテロ等準備罪処罰法案(一部では「共謀罪法案」と呼称)の採決が間近に迫った日、このようなご叱責を受けた。
     本法案の国会提出前に、自民党で議論された結果、「テロを含む組織犯罪を未然に防止し,これと戦うための枠組みである国際組織犯罪防止条約(TOC条約)を締結して,国民の生命・安全を守ることを明確にするため、『テロ』という文言を入れる」ことになったはずだが、結局入れなかったのか...? その後の結論をフォローできていなかったことを反省しつつ、後になって条文を確認すると「テロリズム集団その他の組織的犯罪集団」という文言が入っていた。陳情に来られた方々は誰から法案の誤った内容をインプットされたのか。
     また、国連特別報告者のジョゼフ・カンナタチ氏が、本法案について「プライバシーや表現の自由を制約するおそれがある」とする公開書簡を安倍総理あてに送ったために、野党やマスコミは国際社会からも懸念を持たれているとした。しかし、そもそも日本政府はこの法案の英訳を作っていなかったので、外務省は「海外にて断片的に得た情報のみをもってこのような懸念を示すことは‥」と強く抗議した。
     このような中、G7首脳会合(5/26~27)で、国連のグテーレス事務総長は「特別報告者は,国連とは別の個人の資格で活動しており,その主張は,必ずしも国連の総意を反映するものではない」と先の書簡を釈明した。また、同じG7の「テロ及び暴力的過激主義との闘いに関するG7タオルミーナ声明」第9項で、「テロ対策のため国際組織犯罪防止条約(TOC条約)を含む国際文書の実施のために協力を強化する」ことが決議されるなど国際社会でも賛同を得られた。だが、これらの事実はほとんど報じられなかった。
     さて、この点において、平議員がパーソナリティを務める自民党動画番組"カフェスタ・トーク"の4月3日の放送において、元検事の山下貴司衆議院議員が分かりやすく解説されている。世界の187の国と地域が締結するTOC条約の抜け穴となっている日本の現状、テロ等準備罪が成立するための要件が厳しいことなど明解であった。そして、30分ほどの解説後、ニコニコ動画のアンケート機能を用いて「テロ等準備罪処罰法案が必要か」と尋ねると、「①必要だと思う;94.6%、②いらないと思う:3.6%、③どちらでもない:1.8%、④わからない:0.0%」という結果になった。番組来場者には固定的なファンが多いことを加味しても、丁寧な説明を受ければ必要と判断される傾向が見て取れる。
     安倍総理は、国会閉会後の記者会見で、テロ等準備罪処罰法について「依然として国民の皆様の中に不安や懸念を持つ方がおられることは承知をしております」「これらの法律を実施していくに当たって、国会での御議論なども踏まえて、適正な運用に努めてまいります」と述べられた。不断に説明していくことは勿論のこと、正しい情報をダイレクトに伝えることも必要不可欠となっている。〈秘書W〉

  • 2017年3月28日 18:05

     大阪府豊中市の国有地を学校法人に売却するに当たり、売買価格が大幅に値引きされたことが注目を浴びている。この問題については、自民党内でも「国有地は国民の財産で、不当に誰かの利得になっていいはずはない。政府・与党としてきちんと解明すべきものだ」などの意見が聞かれる。だが、真相解明の糸口になるはずの財務省保管の値引き交渉記録は既に廃棄されていた。
     なぜ交渉記録は廃棄されたのか。何かを隠蔽するためではないのか。誰かの重大な判断ミスがあったのではないのか。あとから文書が見つかったりすると国民は疑心暗鬼になる。私も業務を遂行する上で、官僚の隠蔽体質を目の当たりにしたことがあるが、一方で愚直なまでに官僚の遵法意識が高いことも認識している。そのため、当該文書の保存期間が1年未満というルールを守って廃棄しただけということもあながち嘘とは言えず、そもそものルール、この場合はどの文書をどの期間保存するか、あらかじめ詰めておくのが王道だ。では、財務省内のルールを作ったのは誰か・・・。
     行政機関の職員が、職務上作成・取得した文書や電磁的記録で、組織的に用いるものとして当該機関が保有しているものを行政文書という。行政文書の管理ルールは長らく府省庁ごとに定められていたが、平成21年6月に情報公開法に対応するため公文書管理法ができたことで、立法府である国会のコントロール下に置かれた。とはいえ、同法は取り扱いの大枠を規定するだけで、細かい内容は今も各府省庁の規則に委ねている。
     実は、同法の施行後、財務省の行政文書管理規則を定めたのは、民主党政権時代の野田佳彦財務大臣。この規則は文書の種類ごとに保存期間を定めているが、ここに明記されていない文書は作成から「1年未満」の任意の時期に廃棄することが可能となる。本来は、官僚のほしいままに文書が廃棄されないよう、これら内部規則の起案書が上がってきた際、立法側が厳しいチェックをしなくてはならない。しかし、現実には、政務三役(大臣、副大臣、大臣政務官)が官僚の持ってくる数多くの案件を理解して決裁するのは難しい面もある。
     南スーダンでの国連平和維持活動(PKO)に従事している陸上自衛隊部隊の日報の廃棄問題も同様で、防衛省の規則は、同じく北澤俊美防衛大臣が定めた。日報そのものが歴史的に重要な行政文書と判断するならば、あとから規則を改正して国立公文書館で保管することもできる。
     現実として政権交代が行われるようになった今、かつての政権党が現在の政府のガバナンスを責め立てても、それは直ぐにブーメランとなって返ってくる。必要なのは、国会議員が官僚機構をどう統治していくかという建設的な議論だ。平議員の経済産業大臣政務官や内閣府副大臣在任時の仕事ぶりからすると、政務三役は国会議員だからこそできる政策転換や省庁横断的な対応など大局的な仕事に注力すべきと実感している。顧みれば、平成26年5月に大臣補佐官のポストが新設された際、野党は「焼け太り」と批判したが、これらの政治任用ポストを機能させることが重要ではないか。この政治主導のための大臣補佐官の積極的登用というのは、平議員の持論である。〈秘書W〉

  • 2016年12月 7日 10:06

     政府は先週、「農業競争力強化プログラム」を決定した。このプログラムは、一昨年から推進してきた「農業の担い手の所得向上」のための農協・農業委員会改革等のうち、積み残された課題に対応するもの。現在の政府与党の政策決定プロセスでは、政府決定の前に自民党の承認手続きを必要とするので、その前段として自民党農林水産業骨太方針策定PT(小泉進次郎委員長)などで白熱した議論が行われた。
     検討すべき主な課題は2つ、①生産コストの引き下げ(肥料、農薬、農機具などの生産資材の価格引き下げ)、②農産物販売の効率化(流通や加工構造の効率化)であった。最終的には①②いずれも農協の在り方を見直す方向になったが、その過程で、卸売市場の廃止も議論の俎上に載せられた。今回はこの部分に焦点を絞りたい。
     問題視されたのは、農協は生産者(農家等)から委託を受けて農産物の販売を行うため生産者に価格決定権がなく、また農協の流通段階ごとに生産者が支払う手数料が重荷になっていること。このため、流通改革が必要とされたのであるが、スーパーが直接生産者から買い付けたり、生産者がファーマーズ・マーケットで直接販売できる機会が増えたりしたこともあり、卸売市場についても不要論が出てきた。しかし、データに目をやると違う事実が見えてくる。
     データの1つ目は、「卸売市場経由率等の推移」。生産者は価格を自由に決められないが、卸売市場なら日持ちしない生鮮品を全て買い取ってもらえるため売れ残りリスクがない、卸売市場なら3日以内に売り上げを現金で受け取れるため貸倒れリスクがないなど、卸売市場は経済合理性の観点からも生産者にとって魅力がある。だからこそ経由率は減少傾向にあるものの一定水準を保っているというもの。
     データの2つ目は、「青果物の小売価格に占める生産者受取価格の割合の日米比較」。当初、日本の流通は地域農協や中央農協を通した後に卸売市場を通すなど関門が多いため非効率で、アメリカの流通は分業化された専門会社が担うので効率的という主張もあった。しかし、生産者の手取りはいずれの青果物についても日本が多く、日本の仕組みが非効率とは言えない。
     これらの指摘は、自民党の会合で平議員によって行われたものであり、結論として、今回のプログラムで、卸売市場は合理化を一層進めることになったものの、その存在意義は再認識され、生産者側が貸倒れリスク、売れ残りリスク、在庫負担を急に抱える事態は回避された。
     会議後、その明快な解説に記者は絶賛するも記事にはならなかった。「青果物の小売価格に占める生産者受取価格の割合の日米比較」は元々議員への配布資料に含まれていなかったが、平議員の指摘により農水省から提示されたものだ。生産者の隅々まで国政での一つ一つの議論は届かないだろうが、私は一筆の価値がある政策論争だったと捉えている。 〈秘書W〉

  • 2016年10月 8日 18:57

     国会議員の活躍はニュースにならない。10月1日から新たに始まった消費者保護制度をめぐる報道に接しての感想である。この新制度は、「消費者契約に関して消費者に生じた財産的被害を集団的に回復するための裁判制度」で、第一段階として、国から認定された団体が事業者側に賠償の義務があるかの裁判を起こし、それに勝訴した場合に、第二段階として、被害者を募って財産を取り戻す制度である。
     この制度は、賠償額について、消費者が実際に事業者へ支払った金額の範囲内に限られ医療費や慰謝料など拡大した損害には及ばないこと、訴訟の担い手について、裁判を起こせる国の認定団体が少ないことなどの課題が指摘されている。しかしながら、この制度の設計について議論された3年前は、この法律が本当に消費者保護につながるのか、事業者を過度に委縮させないのかが主な争点となっていた。
     背景には、クラス・アクションというアメリカの同様の法律で、賠償金の多くが弁護士報酬に回り、消費者に戻ってくる金額は僅か、多くの場合が、次に商品を買ったりサービスを受けたりするときの割引クーポン券が支給される、という状況があった。
     そこで、自民党における平議員らの討議を経て、消費者に確実に損害額が戻ってくるように、そして、一獲千金を狙った訴訟が乱発しないように、ガイドラインによって弁護士の報酬に歯止めを掛けた。前述のアメリカの状況の原因に高額な弁護士報酬があったので、日本では弁護士報酬が被害額に対して単純比例しないよう工夫が凝らされた。
     10月1日前後の報道において、これらの経緯は伝えられていないようだが、一つの仕組みだけで、制度全体が適正化されるという立法技術を私は思い出した。この安全弁が予定通り働けば、消費者保護がしっかり図られていくことが期待される。
     国会議員の活躍などニュース価値がないのであろうか。しかし、汚職や陰謀論だけでなく、たまには素晴らしき政治ドラマを伝えても良いのではないかと。私は思う。 〈秘書W〉

  • 2016年6月17日 14:28

     舛添要一東京都知事の政治資金問題で浮上したインテリジェンスの取り扱いについて記述したく筆をとった。
     インテリジェンス(情報)とは、集められたインフォメーション(生データ)に分析を加え洗練させたものを言う。そして、このインテリジェンスは、国家の外交・安全保障などに関する政策立案や意思決定を行うために用いられ、これによって、各国は直面する危機を回避したり、交渉を有利に進めたりしている。
     戦う前・交渉する前から彼我の能力を正確に把握し、さらに敵の出方が分かっていれば、百戦危うからず。敵の本心はなにか、弱点となる部分はないか、それらを探るため、敵のブレインやその周辺のキーパーソンに近づき、カネ、酒、女、功名心、ありとあらゆる手練手管を使って、相手を籠絡させる。このように、敵と味方の実情を熟知することの大切さは古来、格言にも登場している。
     インテリジェンスの世界では、主要人物の人脈、その面会日時などは、喉から手が出るほど欲しい情報で、それらは厳格に管理されるべき性質のものとも言われる。そのような中、その国のトップの一日の動向をわざわざ詳らかにしているのは日本の新聞社くらいと聞いたことがある。実際に私も首相官邸に人を連れだって行くと、とたん「誰に会うのか」「どんな用件か」と官邸に詰めているマスコミに問い質される。
     さて、舛添都知事の政治資金問題。確かに税金は、適切に使われなくてはならない。"第三者"である弁護士が指摘したように、千葉のスパホテルに滞在した主目的が家族との旅行であるならば、政治活動費として計上するのは不適切である。そのホテルで会談したとされる舛添都知事の政治活動に直結する出版社社長が、実際にはそこにいなかったとしたら言語道断だ。
     しかし、支出した資金を返金する意向が示されたにも関わらず「出版社の社長名を明らかにせよ」という論調については疑問に思う。そして、今後も「政治家が誰に会っているのか明らかにせよ」という風潮が作られていくとしたら、強い抵抗感を覚える。それは、前述のインテリジェンスの世界からすると、他国と渡りあうことをあらかじめ放棄するようなもので、平和前提のいかにも日本的発想だからだ。
     変に警戒しすぎているのかもしれないが、いわゆるカウンターインテリジェンス(防諜)の考え方も頭の片隅に置いておかないと、専守防衛の日本において国を危うくしかねない、ということをこの際に主張しておきたい。 〈秘書W〉

  • 2016年4月 1日 15:34

     前回、「保育園落ちた日本死ね!!!」と題するブログに関連した秘書ログを書いたところ、それに対して、恐れ多くも平議員以外の国会議員から内容の不正確さについてご指摘をいただいた。
     私がこの秘書ログを書く際は、「できるだけ具体的に客観的に簡潔に記したい」と謳っていたにも関わらず、客観性を欠いた文章を書いていたことになる。お詫びします。申し訳ございませんでした。
     すでに前回の秘書ログを修正させていただいたが、何が不正確であったのか。それは、自民党の待機児童対策緊急提言の「保育士の賃金を実質2%改善する」とした部分であり、正しくは2%でなく約4%であった。私は3月18日の待機児童問題等緊急対策特命チームの会合を傍聴したとき、「保育士の処遇は、(消費税を財源とする)子ども子育て新制度により平成27年度から3%アップ、人事院勧告で(平成27年度にさかのぼって)1.9%アップ、今後さらに(社会保障・税一体改革に基づき)消費税財源以外の財源確保をして2%アップ」という話を聞き、そして、某新聞に書かれた与党の提言内容「保育士の賃金を実質2%改善する」の欄を読み、数字が一致していたのでそのまま受け入れてしまった。そして、自民党の提言の原典(http://jimin.ncss.nifty.com/pdf/news/policy/131806_1.pdf)に当たることを怠っていた。
     自民党の提言と新聞報道の差は何か。それは、人事院勧告に基づくベースアップ1.9%分を加味するかどうかだ。自民党の提言は、平成28年度以降において1.9%の部分を確実に実施すべきものとしてカウントしたのに対し、某新聞は、それを所与のものとしてあえて省いて記事にした。もちろん4%という数字も、政府与党の目線からのレトリックと言ってしまえばそれまでだが、本来はこの2%という新聞の書きぶりも前回の秘書ログで取り上げ指摘すべき事柄だったと言える。
     なお、連立政権を組む公明党の提言も同じく4%(https://www.komei.or.jp/news/detail/20160326_19546)になっている。
     マスコミの報道のあり方を正確につかんで書いたつもりが、逆にマスコミの術中にはまってしまったと思うと情けない。しかし、ご迷惑をかけたものの、一秘書が書くブログを読んでくださっている方がいることを知ったのは大きな喜びであった。そもそも平議員は、この公式ホームページのリニューアル時に、「秘書ログのコーナーを作ってほしい」という私の希望を二つ返事で了解してくれた。これらを励みに更に丁寧さを心掛け書いていきたいと思う。 〈秘書W〉

  • 2016年3月30日 09:12

     「保育園落ちた日本死ね!!!」と題し、我が子が保育園の募集に通らなかった母親の嘆き・怒りがつづられたブログを契機に、待機児童問題への取り組みが喫緊の課題となっている。自民党は3月25日、安倍総理に対して「小規模保育所の定員枠を拡大する」「保育士の賃金を実質4%改善する」などの緊急提言を行った。そして、政府もこれを受けて同28日に緊急対策を発表した。安倍政権は、自民党に政権が戻った平成24年12月以降、平成25年度及び平成26年度で21.9万人分保育量を拡大し、平成25年度から平成29年度までで合計45.6万人の保育の受け皿を拡大する見込みのところ、更に上積みして50万人とする目標を掲げ進めるなど先手を打っていたが、保育ニーズは激増している。
     これに先立ち、自民党においては、3月18日から待機児童問題等緊急対策特命チームの会合を開催し、駆け足ながら対策を練ってきた。その際、「自治体が強い権限を持ちすぎている。首長のリーダーシップで待機児童が一気にゼロになる自治体、公務員身分の保育士の顔色をうかがい何もしない自治体など多様である」などの指摘やトータルで16年間、子供を保育園に連れていった経験談が語られもしたが、紹介された記事は平坦なものばかりであった。他方で、「行き過ぎた東京一極集中を打破する議員連盟」において、待機児童を巡って「ある程度、東京に行くとコストがかかって不便だとしない限り駄目だ」と自民党議員が発言したことについては、紙面が大きく割かれた。
     そして、野党が、公共事業費などを2,840億円削減して保育士の処遇改善に当てるとした提案については、美談のように書かれていた。精査された根拠があるものと信じたいが、かつて平議員が自民党の無駄撲滅プロジェクトチームで公共工事予算をチェックした際、防災対策や古くなった橋、トンネル、道路などの維持・補修など、簡単には削減できない予算の数々の説明を受けていただけに、毎年これだけの額をどう捻出するのか疑問が残った。ところが、同じ新聞社の違う日の記事には、「与党の提言は財源のあてがない」と財源について厳しく追及していた。
     また、待機児童問題を考える上で、質の確保も当然考慮すべき要素であるが、まず量を確保しなければ何も始まらない。それが今回の一連の動きの発端であるにもかかわらず、今度は野党議員の「質の確保が大切」という発言をテレビで垂れ流し、単純に量を増やしてはならないと釘を刺す。そうかと思えば、緊急対策なので言うまでもないことなのに「保育枠緩和 急場しのぎ」という本質を理解していない見出しを躍らせる。
     時の政権が責めを負うのは当たり前だとしても、これだけ支離滅裂な報道によって、事を荒立て問題化しようとするマスコミの姿勢には正直辟易してしまう。国会議員たるもの言葉は命で慎重に発するべきであろうが、ブレインストーミングという頭の体操、闊達な議論を行うための問題提起さえ抹殺しようとする態度では、マスコミに対して口を開くことを躊躇する方向に作用してしまう恐れさえある。マスコミが社会問題についての流れをつくる重要な役割を果たしたことは否めない。しかし、長期的な視座も持たず、自社の記事の整合性もなく、失言などを取り上げて一丁上がりのままで良いのだろうか。政治の現場にいて、つくづく思う。 〈秘書W〉

  • 2016年2月26日 13:50

     「OPEN POLITICS」が被選挙権年齢の引き下げを目指してキャンペーンを開始した(http://open-politics.org/about/)。この団体は、G1サミット(日本を代表する政治家や実業家が一堂に会して討議する場)の大学生版"G1カレッジ"が発祥で、G1カレッジには、起業して会社経営する人、国際社会で汗を流す人など様々な分野で活躍する25歳以下の若者が集まったが、政治の分野だけは誰もいなかった。その原因に「被選挙権年齢25歳以上または30歳以上」という壁があるのなら、これを引き下げて同世代の人が活躍できる場にすべきだ。そういう思いが今回の動きにつながったという。
     平議員は、G1カレッジのボードメンバーの立場からキャンペーン開始の記者会見に出席し、「選挙権年齢を18歳に下げたなら被選挙権年齢も下げるのが合理的だ。そうしないと、被選挙権年齢30歳以上の参議院議員選挙では、一回り上の世代に投票することになる。未熟と言うが、若い人には情熱、感性、行動力がある」と応援の挨拶をした。記者会見に招かれた各政党も、一様に被選挙権年齢の引き下げについて積極的なコメントをしていた。
     たとえば、選挙における投票総数が今の規模のままで、今年7月に新たに選挙権の対象となる240万人(18歳、19歳の人口はそれぞれ120万人程度)全員が自分の政党だけに投票してくれるとすると、参議院の全国比例区では2議席分確保できる計算になる。さらに、選挙権を得ているもののいまだ全ての被選挙権を得られていない20~24歳までを加えて考えると、およそ120万人×7年=840万人で、これは前回の2013年参議院選挙の全国比例区で民主党が獲得した7議席(713万票)よりも多い8議席を獲得できる数字になる。各政党とも少しでも若者の票の掘り起こしにつながればという目論見があるのかもしれないが、それでも行動を起こした若者にとって心強い言葉の数々だった。
     実は、この国会議員8議席分という数は、政治団体を作れば「所属国会議員が5人以上」という政党要件を満たすので政党交付金を受けられ、参議院で会派を作れば本会議で総理に対して代表質問もできる数だ。そして、キャンペーンが実を結んで、被選挙権年齢が引き下げられ、この若い世代が自ら立候補し、若い世代すべてが自らの世代に投票したらどうなるか。それは、若者だけの政党が政党交付金による政治活動費を得て、若者の視点から国会で総理に質問をしたり立法活動を行ったりできることを意味する。若者だけでも政治的に大きな役割を果たすことができるのだ。
     いずれにしても、自民党からは青年局次長の小林史明議員が出席し、青年局として、被選挙権年齢の引き下げ、供託金の軽減、インターネット投票の実現、この3つを党の選挙公約に入れるよう働き掛けていくことを表明するなど、各政党が垣根を超えて集まって賛意を示したからには、政局の結果、何も進みませんでした、ということだけは避けなければならない。 〈秘書W〉

  • 2016年2月 5日 18:01

     2月4日、ニュージーランドでTPP協定の署名式が行われた。しかし、そこには、担当大臣としてTPP交渉の中心的な役割を果たしてきた甘利明議員の姿はなかった。秘書による政治献金の私的流用の責任をとって、1週間前に大臣を辞任したからだ。
     実は、ここに至るまでもTPP交渉に関わるキーパーソンは、幾度となく交代してきた。元々TPP交渉参加9カ国(現在は12か国)との事前協議を始めたのは、民主党の野田政権であったが、2012年末に自民党へ政権交代した後、安倍総理が日米首脳会談に臨み「聖域なき関税撤廃が前提ではないことが明確になった」ことで、交渉参加を決めた。
     この間、反対派の勢いが強かった自民党内で推進派を導いたのは「環太平洋経済連携に関する研究会」の呼びかけ人だった川口順子議員と中村博彦議員であった。反対派が大規模な集会を開く一方で、この研究会は平将明議員や小泉進次郎議員をメンバーに連ねながらも、極めて少人数で理論的な検討を加え続けていた。そして、安倍総理のリーダーシップとTPP対策委員長の西川公也議員による説得で今日のTPP協定の確定に至った。しかし今、川口議員は政界を引退し、中村議員は他界している。
     結果として、交渉前、関税全廃を前提にGDP押し上げ効果プラス3.2兆円と試算されたものが、それを大幅に上回るプラス14兆円という交渉結果を勝ち取った。さらに、2月2日の農林水産省の発表では、2015年の農林水産物の輸出額が過去最高を更新して7,452億円となっており、今後関税障壁が撤廃されれば、更なる輸出額増が期待される状況下にある。
     現在、自民党では小泉進次郎議員が農林部会長に就任し、TPP対策を含む政府の「経済財政運営と改革の基本方針(通称:骨太方針)」への提言策定に向けたプロジェクトチーム会合を連日開催している。ここに小泉議員の要請もあり平議員も積極的に関わっている。平議員は、地方創生・国家戦略特区の担当副大臣として、日本全国で一次産業の可能性を見てきた。また、元青果市場の仲卸会社社長として農産物の流通の仕組みを熟知している。これから、日本農業は更なる成長産業化・輸出産業化に向けて動き出す。
     キーパーソンが変わっても自民党では理念が生き続け、それを担える人材もいる。 〈秘書W〉

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