第8回カフェスタトーク【齋藤健衆議院議員】

2012年2月20日 17:00 | カフェスタトーク

 今回のゲストは、元通産官僚、元埼玉県副知事という経歴の齋藤 健衆議院議員。齋藤議員は、明治維新から日露戦争を経て第2次世界大戦に至る日本の栄枯衰退の歴史を振り返った『転落の歴史に何を見るか』(2003年 ちくま新書)の著者でもある。その著書をベースにして第2次世界大戦で敗戦へと至る転落の理由を挙げながら、中学校時代の後輩と先輩に当たる平議員と齋藤議員が、日本を覆う閉塞感や、なぜ自民党が野党へ転落したのかを話し合う。

 「日本が第二次世界大戦に至り転落した理由はいくつかあるが、国作りのためのセットのビジョンを持つジェネラリストを育ててこなかったため、大きな視野で内外を見渡すことのできる人材が枯渇してしまった」そう話す齋藤議員は、政治家は特定の政策だけに取り組むのではなく、国全体を巨視的に見ながら政策決定していくべきだと言う。平議員も深く同意し、現政権を担う民主党が、社会保障制度について財源を考えずに制度設計を行っている点をとらえて、同様の問題が根底にあると指摘した。
 次に齋藤議員は、「組織に十分な自己改革力がなかった」とも話した。第2次世界大戦で世界の海上戦力は、戦艦からより機能的な空母へと革新していったが、当時の日本は、戦艦に従事する船員の雇用を守るため戦艦に固執した。政策判断が情に流され、結果として日本は連合国に惨敗する。平議員は、今の日本社会でも同じようなことが生じていると述べた。例えば、いま語学教育の現場では、アジア圏の言語の需要は伸びているにも関わらず、需要が落ちている語学の整理が遅れているために新言語の教育を行えずにいるとのことであった。
 齋藤議員は、これらの反省を踏まえ、平議員とともに、政治全体を俯瞰し国家のマネジメントを図り、日本を再び転落させないように努めたいと決意を述べた。

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