【インターンによる発信 『若い声』】  私が記者を目指す理由(わけ) ~ 平インターン生、ただいま全力就活中 ~

2015年5月21日 17:51 | 若い声

 そのきっかけは、2012年の選挙のときだった。

 急きょ突入した選挙戦。党首討論で解散日が決まるとは、おそらく誰も想像しなかったはず。それでも公示日の1週間前に20歳を迎えることのできた私は、己のタイミングの良さに感謝をしながら、選挙日程のほとんどでお手伝いをさせていただいた(公職選挙法で未成年者の選挙運動は禁止されている)。早朝の駅頭挨拶のおとも、演説時のビラ配り、パイプ椅子に長時間座っての受付などなど。真冬の選挙で"一応"女子の身であったが、どんなに体力的にキツくても、どんな些細な仕事でも、自分が参加できることが嬉しかった。候補者にタスキをかける、ただそれだけに喜んでいた。ここに日本の未来を決める選挙がある、その息づかいが聞こえるほど間近にいられることに、どうしようもなくワクワクした。

 選挙期間中のある日、何気なくつけていたテレビのニュースを眺めていて突然ひらめいた。「政治とマスコミって、切り離せない ! ! ! 」。政治家がなにかを決める、マスコミが報道する、それを受けた国民の反応をマスコミが伝える、世論をみてまた政治家がなにかを決める、マスコミが報道する...。きっと誰かが取り上げなければ、どの政治家が何の政策でどんな働きをしたか、なんて分からない。ならば、この選挙において、候補者全員のビラを集めて熟読し、ナマの演説を聞いてから誰に投票するかを決める人がどれだけいるのだろうか。もしかしたら、自分の選挙区の候補者がなにを訴えているのかさえ知らないかもしれない...。そう思ったらなんだか、目の前で動く政治を伝える記者という仕事の重みと実社会での役割が鮮明に見えてきた。

 平事務所でインターンをするまで、政治はテレビ画面や新聞紙面の向こうの出来事だと思っていた。偉い人が難しいことを決めていて、一国民である自分には縁のないことだととらえていた。政局に終始しているオドロオドロしい世界であることを疑わなかった。しかし、インターンをさせていただいて、政治は身近なところにあると感じた。政治家は無欲に日本のあるべき姿に思いをめぐらすなど、想像していたよりもフランクだった。そして、国民に自分の考えをできるだけ伝えたいとまじめに考えていることを知った。

 そして、今度は、国民の声がどれくらい政治に届いているかも気になった。声高で行動力のある国民の声はおのずと政治の世界に届くであろうが、"声なき声"や"声を上げられない声"も政治の世界に届けることができたら、さらに世の中の活性化に寄与するものとの確信を持った。もちろん政治家の責任はより一層重くなり、きちんと向かい合う覚悟も必要とされていく。

 政治の世界の空気に触れたばかりの私であるが、私が政治と国民それぞれの間をつなぎたい。互いの思いが通うことを可能とする情報通信の世界に身を投じたい。そう念じて、私は今、マスコミの門をたたき、記者という職に就きたいと明確な志望動機を抱くに至った。

 最近は政治家のネット活動も盛んで、選挙中もホームページやSNSで政策を訴えることができる。しかし、ひとつの分野だけならともかく、経済・教育・医療・福祉...あらゆる分野の話をそのまま理解するのは専門用語も多いため難しい。政治の側からの「政策の中身が正しく伝わっていない」との指摘も耳にした。それなら私が、忙しい人には簡潔に、詳しく知りたい人にはじっくりと、平易な言葉で伝えたい。全般的に分かりやすく伝えるために、間を取り持つのはマスコミの真骨頂だと私は信じている。

 記者を志望するようになってからの私は、新聞やテレビで目にするニュースや企画について、常に良かったところ悪かったところを冷静に分析し、自分だったらどう表現するかといった視点も加えて接するようにしている。そうすると、これまで見えなかった物が見えてくるように感じる。大好きで興味深い政治の世界に、今後、研鑽を積み、マスコミの一員となって関わっていけたら...。そう思いながら、今日もリクルートスーツに袖を通すのだ。 〈インターンN・Y〉

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