2016年8月31日 09:15 | 若い声
この7月の参議院議員選挙は、選挙権年齢が18歳以上に引き下げられてから初めて行われた国政選挙で、若者の投票行動が注目された選挙でもありました。結果は、18歳の投票率が51.77%で、19歳の投票率は39.66%。私が住む地域は、千葉県の山間部に位置するため、「投票所までの距離が遠くて時間がない時にはムリ」とか「仕事が忙しくて余裕がないのでムリ」と投票に行かなかった理由を述べる後輩(19歳の有権者)や社会人の友達が少なくありませんでした。
このような理由については、「山間部とはいえ何らかの交通手段があるわけだから、距離は言い訳にはならない」とか「仕事が大変だとしても、期日前投票を利用するチャンスが全くないはずはない」と指摘する方がいます。確かに、政治や政策について強い関心や興味のある若者ならば、あらゆる努力を払って投票に行くかもしれません。しかし、「若者の政治離れ」が言われる昨今、現実の若者にとって政治はまだまだ身近なものではありません。
私が調べたところでは、年齢層が高くになるにつれて投票率が高くなるのは、「20代の若者が選挙・投票を重ねていく結果である」というものがありました。そうであれば、10代、20代の有権者には「まずは投票をしてみる」といった「きっかけ」を与えることが大切で、特に社会人になりたてで余裕がない有権者には、投票へのアクセスのしやすさに工夫を凝らすことが不可欠です。
そこで、私はインターネット投票の導入を提言します。ネット投票には、二重に投票する「不正投票」や投票の秘密が侵される「セキュリティ面の不安」など様々な面で懸念が示されています。しかしながら、海外では実現している国もありますので、情報化が進む世の中で技術的には不可能ではないと私は思います。
私自身、議員事務所でインターンシップをさせていただくことや、この「若い声」を書かせていただくことで、元々ITなど情報学専門で政治にそれほど関心を持っていなかったにも関わらず、選挙や政治について勉強するようになりました。
政治は「学ばなくてはいけない」といった風潮が強いです。しかし、たとえ「学ばなくてはいけない」ものであっても、興味がなくては学ぶこともままなりません。これは、投票についても同じことが言えると思います。初めから「投票率を上げる」という使命感を帯びた発想ではなく、「投票するきっかけを作る」という視点から、ネット投票の実現に向けた取り組みを始めるのも良いのではないか、私はそう思います。
[インターンY・S]