2016年11月29日 18:23 | 若い声
米大統領選2016は、ドナルド・トランプ氏が、大方の予測を覆して勝利した。トランプ氏は選挙戦で訴えていた「大統領就任初日のTPP交渉からの離脱」について、改めてビデオメッセージで表明するなど"アメリカ・ファースト"な発言を繰り返している。さらに、日本関連では、米軍駐留経費の費用負担増を強く求めていたことから、私は今後の日本の安全保障の在り方について特に懸念を抱いている。
日本周辺では、北朝鮮が今年に入って国際社会への挑発を加速させてきた。8月3日に発射した弾道ミサイルは、日本の排他的経済水域(EEZ:沿岸から370km)内に初めて着弾。同月24日には潜水艦からの弾道ミサイル発射に初めて成功。9月9日には5回目となる核実験を強行。北朝鮮は、これらの技術開発により、軍事的挑発から実際の軍事行動に移せるだけ能力を高めたと、アメリカの研究機関も見るほど脅威は増している。
しかし、一連の北朝鮮の動きについて危機感を覚えている日本人は少ない。度重なる北朝鮮に関する報道に感覚が麻痺し、ニュースに接しても関心を示さない人が増えたという印象だ。顧みると、2012年の事実上の弾道ミサイル発射実験の際、私は高校生だったが、学友を含め関心を持つ者は多かった。2010年に南北軍事境界線近くの韓国領・延坪島に北朝鮮から砲撃があった際には中学生だったが、当時、大きく報道されたことも記憶に残っている。
こうした中でのトランプ氏の当選である。トランプ次期米大統領の内政外交に向けた過激な発言の真意はともかく、米国の軍事力がかつてほど強大な力では無くなりつつあることは事実だ。近隣諸国からいかに日本の国土・国民を守るか真剣に考えるときが来ていると言えよう。我が国では、折しも国会で憲法審査会の審議が一年半ぶりに再開されるなど、憲法改正に対する議論が始まっており、国防について今一度考えてみる好機と言えるのではないだろうか。
現在の自衛隊は専守防衛の方針のもとに運用されているが、昭和31年の政府見解では、自衛の為に用いる手段が他にない場合において敵基地攻撃能力の保有を合憲と解釈していた。過激な主張かもしれないが、日本を取り巻く「現実」を直視すると、日本は瞬時に危機に陥る可能性があるので、手遅れにならないよう合理的な手段を整えるべきではないかと焦りを覚える。今こそ、同じ若い世代の人にも、我が国が安全保障上どのような行動をとるべきかを考えて頂きたいと思う。
[インターンM・O]
「9・9 北朝鮮の核実験を受けての安倍総理会見」
首相官邸HP(http://www.kantei.go.jp/jp/headline/northkorea201609/index.html)