2018年1月 9日 09:15 | 秘書ログ
昨年末、新聞の投書欄で「この1年」という特集が組まれていた。投書欄への採否に編集者の意図が働くにしても、「永田町の常識は世間の非常識」とも言われる政界に身を置く者にとっては、投稿内容は貴重な意見である。今回、「良い世の中への希望芽生えた年」と題する17歳の高校生の投稿があったので一部を抜粋して紹介したい。
『 「2017年はどんな年でしたか」と問われたら、私は「いい年とは言えない1年だった」と答えますが、新聞を読んで、もう一つ思ったことがあります。それは、世界を良い方向に転換しようとする動きです。国連で採択されたSDGs(持続可能な開発目標)の進展も報道されました。例えば環境・貧困問題解決などに取り組む企業へ投資しようとの動きです。17年は、新たな希望が見えた1年であったとも言えます。 』
常日頃から平将明の言動に接している者であれば、「これって平将明が進めている政策では?」という感想を持たれるに違いないが、一般的にこの投稿を読んでピンと来る方はいないだろう。政治の良い面が報じられにくいことは勿論のこと、政策の発案・推進者が明らかにされにくいことや、各政治家が自らの政策を体系立てて記録することが少ないこともその背景事情としてある。
高校生の言う「環境・貧困問題解決などに取り組む企業へ投資」とは、ESG投資のことで、EはEnvironmentで環境、SはSocialで社会、GはGovernmentでガバナンス。世間的には知られていないが、平議員は自ら呼びかけ人となってESG投資・国連投資原則勉強会を立ち上げ、2年半前の2015年9月9日に当時の世耕官房副長官に申入れを行った。詳しくは、ESG投資・国連投資原則推進政策提案をご覧いただきたい。申入れの1週間後の9月16日には、GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)が、資金運用においてESGの視点を反映させる国連責任投資原則の署名機関になり、さらに10日後の9月27日には、安倍総理が「持続可能な開発のための2030アジェンダを採択する国連サミット」において、GPIFが国連の責任投資原則に署名し、日本としても持続可能な開発の実現に貢献していくことを発表した。
同じく高校生の言う「国連で採択されたSDGs(持続可能な開発目標)の進展」について、2017年4月28日に自民党経済構造改革特命委員会がまとめた「経済構造改革戦略:Strategy5」の「世界トップの ESG 先進国を目指し持続的でインクルーシブな成長を実現」の項では、「投資家がSDGsに取り組む企業を積極的に評価し投資できるエコシステムの構築」を謳っているが、これがその後の政府のSDGs施策につながっている。この発案を行い政府と調整を行ったのも事務局長代理の平議員であった。
おそらく、冒頭の高校生は、平議員の名前など知らないだろう。とかく政治家も秘書も多忙のため刹那的に仕事しがちだが、記録できることは記録して残すべきだと、新年を迎えて改めて思った。政治が世の中の良い流れを作ることも当然あるのだから。 〈秘書W〉