2021年9月17日 19:55 | 秘書ログ
本日9月17日、自民党総裁選挙が告示され、河野太郎議員、岸田文雄議員、高市早苗議員、野田聖子議員(届出順)の4名が立候補した。振り返れば、昨年の自民党総裁選挙において、菅候補が「デジタル庁創設」を公約として掲げたことで、「デジタル庁創設」がその後の菅内閣の目玉政策となり、そして僅か1年足らずの本年9月1日にデジタル庁が発足する運びとなった。
このデジタル庁は、「誰一人取り残さない、人に優しいデジタル化」をミッションにしたデジタル社会形成の司令塔で、「すべての行政手続きがスマホで60秒以内にできる」ことを目指している。また、引越しなど民間手続きを含めたワンストップサービスの推進にも取り組むとのことである。
さて、ここに「"デジタル遷都"3か年計画」(pdf)と題された1枚のペーパーがある。前述の自民党総裁選から遡ること3か月前の2020年6月、IT政策担当副大臣だった平議員が菅官房長官(当時)に政策提言したもので、今年3月の衆議院内閣委員会での菅総理との質疑でも取り上げられた(R3.3.31 衆議院内閣委員会(平将明 vs 菅義偉内閣総理大臣))。
新型コロナウイルスが猛威を奮う中、コロナの発生状況をタイムリーに情報共有できない(国と自治体のシステム連携の問題、自治体ごとに個人情報保護条例がバラバラな"個人情報保護条例2000個問題"など)、現金給付がスムースに行えない(マイナンバーの利用目的が限定されていて支援金給付に利用不可、マイナンバーと預貯金口座が未連携など)、この現実を前に、日本の政策立案者の能力を嘲笑うかのような報道が繰り返されたが、政府内にいた平議員は「能力の問題」ではなく、
① 縦割りの壁(各省庁で統一感なく設計されたシステム)
② 横割りの壁(国と自治体で異なる個人情報保護ルールとシステム)
③ 国民の意識(国の情報管理に対する不安)
これら「構造の問題」として捉え、3年程度かけて何とか日本のデジタルガバメント化を推進し、大規模災害発生時にも国民に行政サービスを提供できる体制、データ覇権争いが過熱する世界でデータ流通ルール作りを主導できる環境を整えるべきだと主張した。
実際には、菅総理の強いリーダーシップの下、デジタル庁は1年でのスピード創設となった。前述の「すべての行政手続きがスマホで60秒以内にできる」ほか、平議員いわくGAFA(Google、Amazon、Facebook、Apple)のような巨大プラットフォーマーが提供している一人一人の状況に応じた「ワン・トゥ・ワン・マーケティング」のように、本当に必要な人に必要な支援が必要なタイミングで届く「ワン・トゥ・ワン行政サービス」の実現が期待される。 (秘書W)