【秘書ログ】 web3、国家戦略への道③ 〜重ねられるNFTの議論~

2022年6月21日 18:25 | 秘書ログ


国会議員の国会外での活動は見えにくい。悪の巣窟、伏魔殿のように自民党本部がニュースで報じられるときには党内の会議の様子が出るが、取材の対象にならなくとも、平日9:00-12:00、13:00-17:00のスケジュールで組まれた衆議院参議院の本会議や各委員会の審議の合間を縫って、自民党では法案審議や政策の勉強会を行っている。このため、朝8:00-9:00、昼12:00-13:00に会議がセットされることが多い。同じ時間帯に集中的に開催されるので会議を梯子せざるを得ない議員も出てくる。


NFT政策検討プロジェクトチーム(以下、「PT」)の会議は、更に朝早くの7時30分から行うことも度々であった。平議員が衆議院内閣委員会の理事会に出席するため、8時40分には自民党本部から国会に向かう必要があったからだ。講師の方々のプレゼンを受け、その後、多角的で重層的な質疑を充分行うにはスタート時間を早めるほかない。リモート出演の講師の方々の理解を得ながら、NFTについての議論を重ねていった。


さて、NFTの議論を深めていくと、NFTを売買する際に使われる暗号資産などFT(Fungible-Token:代替性トークン)の検討も不可欠で、さらに技術的な前提となるブロックチェーン、その技術をもとにしたDeFi(Decentralized Finance)、DAO(Decentralized Autonomous Organization)、メタバース、これらも射程に収め、包括する概念であるweb3全体を俯瞰した政策が必要となることが認識された。そして、
① 国家戦略の策定・推進体制の構築
② NFTビジネスの発展に必要な施策
③ コンテンツホルダーの権利保護に必要な施策
④ 利用者保護に必要な施策
⑤ NFTビジネスを支えるBCエコシステムの健全な育成に必要な施策
⑥ 社会法益の保護に必要な施策
などのNFTを取り巻く重要テーマが見えてきた。


この段階で既にNFTに関する提言の取りまとめという第一のゴールが視野に入っていた。新しい分野であるweb3を所管する省庁がまだ存在せず、未知の領域に踏み出すとき、前例主義で無謬性を旨とする官僚機構は当てにできない。政府与党が一体化している中で、自民党が官僚組織に頼らずに提言をまとめることは極めて稀なことだが、法的な観点もあることから、いわゆる4大法律事務所にも全面的に協力を求めながら、平議員のNFTチームは議論の集約を図っていく。


この頃、自民党でNFT政策検討PTが立ち上げられたことや国会でweb3に関する質疑を行ったことから、専門誌系のマスコミの取材が多くなる。そこで、平議員が述べていたことは、「まずPTとして提言をまとめる、次に党のデジタル戦略である『デジタル・ニッポン2022』に提言の内容を盛り込む、次にゴールデンウィーク後にまとめる自民党の成長戦略に入れ込む、その上で、政府の骨太方針や成長戦略に反映させる」ということ。自民党内でweb3の理解者がまだまだ少ない中で、どこまで実現できるかは未知数だった。 〈秘書W〉


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