2024年2月20日 09:45 | 秘書ログ
AIセーフティ・インスティテュート(AISI)が2月14日に発足した。
AISIは平議員が昨年11月21日の衆議院予算委員会で「生成AIを利用したテロ、AIによるディープフェイクの大衆化、AIが進化しコントロール不能になることが議論になるなど、安全性の確保について国際協力していくため、米英のカウンターパートとなるAIセーフティの研究をする機関を日本国政府としてもつくるべきだ」と設置を進言していた組織である。
12月14日には、自民党「AIの進化と実装に関するプロジェクトチーム」としても「AIの安全性確保と活用促進に関する緊急提言」をとりまとめ、12月20日に高市担当大臣に申し入れていたが、平議員の予算委員会での質問から僅か3か月足らずという怒涛の勢いでのAISIの誕生であった。
一般的にインスティテュートは研究所と訳されて組織名が付されるが、AISIは安全性評価の基準や手法の検討、偽情報対策などの調査のほか、他国の関係機関との国際連携に関する業務など研究機関にとどまらない役割も担うため、インスティテュートという名称になっている。
昨今のAIの動きは速い。民間企業でのAIの開発スピードはもちろんのこと、各国政府による開発状況の把握と対策もである。では、日本はどうか。傍らで見ている限り、先に先にとプロアクティブ且つ戦略的に議論が進められている。アメリカが大規模な開発業者だけを規制し自由な開発を促しつつ最終的には強力な事後規制または訴訟による解決に向かい、EUが強度な規制と罰則を課そうとしているため開発業者が委縮すると言われる中、日本は、「AIを使い倒す」前提でAIに親和的な方針を示すことで、AI開発者を日本に呼び込む独自路線をとっている。
また、日本は従来、世界の動向を慎重に見定めたり利害調整に時間を要したりして、政策立案が後手後手になることが多かった。しかしながら、議会との調整が必要な大統領制のアメリカ、27か国から成り各国や欧州議会と理事会の了解が必要なEUよりも、日本は議院内閣制の仕組みの中で政府与党が一体となっているため、本来はひとたび政治的な決断がされるとスムースに進められるという利点をAIでは見事に活かしている。時には動きが早すぎて一旦立ち止まるほどで、かつての日本からすると奇跡的なスピードだ。
ここにおいて、平議員が果たしている役割は大きい。自民党「AIの進化と実装に関するプロジェクトチーム」の座長として、初代事務局長の塩崎彰久衆議院議員、二代目の尾﨑正直衆議院議員とともに、日本の先頭を切って動いている。一般的に自民党では朝8時の会合からスタートするが、その前の7時からも定期的にリモートでミーティングを行い世界の動きを一早く捉えている。
また、日本が採るAI戦略においても、平議員が常々述べている「イノベーションで解決できるものはイノベーションで、民間の自主判断や政府の運用などソフトローで解決できるものはソフトローで、それでもダメならハードローで」というイノベーションを大切にする姿勢が表れている。
今日に至るまでの軌跡を辿りたい。 〈秘書W〉