久し振りの大田青果市場と築地魚河岸の三代目対決。青果市場の"かぶ"と経済市況の"株"を絡めた相場談義から始まり、生田氏が実体験してきたアメリカの水産資源管理の実態へといつものテンポで話題が展開していきます。
【要約】
生田氏が、アメリカの水産資源管理の取組みとして、Seafood Watchという制度を紹介した。この制度では、資源量ごとに魚の種類がbest choice(推奨:食べてよい)、alternative(代替:代わりのものを食べよ)、avoid(回避:食べるな ※本マグロは回避に分類)の3段階で表され、消費者はこの指標を参考に魚を選ぶことになる。アメリカでは、水産資源管理の意識が消費者に浸透しているため、大手スーパーにおいて持続可能なbest choiceの魚だけが販売されている。一方、日本では意識はあっても買い物には反映されていないとのことであった。
また、日本の漁獲方法だと、資源が回復する前に捕獲し、元本を使い切るため絶対量が減るとも指摘した。例えば、資源管理について、日本は特定の魚種ごとに捕獲できる総量を定めた「総漁獲可能量(TAC)」を設定しているだけのため、早い者勝ちとなり、かえって乱獲を引き起こしているという。さらに水産庁の定める漁獲可能量は、科学者の勧告量の4倍近い量で設定しており、全く意味をなしていないと生田氏は指摘する。
乱獲をやめ、ただ日本周辺海域で自由に泳がせるだけで、魚は大きく成長し単価も漁獲高も上昇する上、子どもを産む機会も与えることができる。しかしながら、今の状況を変えないならば、富が失われ続けるだけだと生田氏は残念がる。平議員は、日本は海域が広く漁場としても豊かなのだから、資源管理を適切に行うことで、一次産業も儲かるようにしなければならないと結論付けた。