今回のゲストは、元海上保安官の一色 正春さんです。一色さんは2010年10月に発生した「尖閣諸島中国漁船衝突事件」のビデオ映像をネットで配信した。この一色さんの行為に対しては「公務員の守秘義務違反である」いや「国民の知る権利に応えてくれた義挙である」との両論が渦巻いた。あれから三年。特定秘密保護法案の審議真っただ中の今、平議員が防衛と秘密保護の核心に迫る。
【要約】
初めに、中国の海洋進出問題について。平議員は南シナ海における中国の進出の手法を解説した。それによると、中国は初めに他国の領海内に民間漁船、次に巡視船等の公船を侵入させ、その後他国の領土内に建造物を建設、そして武力行使に至るという手法を採っているという。そして、尖閣諸島周辺でも、漁船や公船の侵入が加速度的に増えているなど、中国が計画的に歩を進めていると指摘した。日本としてはそれに対抗するため、耐用年数を考えた公船の建造、職員の引退を考慮した人材の育成など中長期的な防衛計画を策定する必要があると一色氏は主張した。
続いて自衛隊の在り方について。外国の侵略に対しては軍隊で対応するのが一般的であるが、日本では警察組織の海上保安庁が対応している。そのため、武力を持った外国船に対し、パスポートの確認から始めるといった警察的対処をしなければならないという不都合が生じると一色氏は指摘した。武装外国船に対しては軍隊的な対応ができるという仕組みが必要ではないかと問題提起した。
最後に話は特定秘密保護法に移り、平議員は自衛隊の暗号やテロの情報源など守るべき情報は存在する上、現行法では政務三役による情報流出を罰することができないといった問題があるので、これらの秘密を保護するための法律は必要であると説明した。一色氏は、どこまでが秘密でどこからは開示するのかという線引きを曖昧にせずに決めるべきであると主張した。