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【秘書ログ】 「国家戦略特別区域法」成立の舞台裏

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2013年12月10日 12:33 | 秘書ログ
 平議員が11月8日の衆議院本会議で代表質問を行い、政府が「成長戦略実行国会」の柱と位置付けていた「国家戦略特別区域法案」が12月7日の参議院本会議で可決・成立した。本法案は、同じ会期中に審議された他の法案に比べると平穏に成立した感があるが、それでも少なくとも2つの山場があった。  
 1つ目の山場が、法案作成過程における自民党国会議員と政府担当者との攻防である。法案は、10月18日に日本経済再生本部(総理が本部長)が決定した「国家戦略特区における規制改革事項等の検討方針」を条文化すれば良いだけのはずが、自民党に示された法案には決定の内容とは異なる条文が散見された。例えば、本部決定の「特区において、公立学校運営の民間開放を可能とする」が、法案では「(特区において、)公立学校の管理を委託することができるようにすることについて〈中略〉検討を加え」と後退していた。結局、平議員による指摘など党内議論を経て、すべて官邸の意向に沿う形に直されたが、国語力の問題だけかもしれないものの、法案を骨抜きにする官僚の抵抗は、平議員らの言葉を借りるならば、まさに「神をも恐れぬ所業」であった。
 2つ目の山場が、衆議院内閣委員会での与野党修正協議という神経戦である。法案の哲学を曲げることなく、多くの政党が賛成できるよう可能な限り意見を取り込む。この難易度の高い仕事を同委員会理事の平議員が行った。例えば、企業の進出を促すため特区における"雇用指針"を官邸主導で明確化することについて、厚生労働省を介入させたい民主党は当初、雇用指針に関する条文そのものの削除を求めてきた。しかし、官邸主導による雇用指針の作成は、この法案の肝とも言えるものなので、平議員はこの要求を跳ね返し、条文の追加による解決を逆に提案した。そこで、民主党が示した条文は「(雇用指針に関し、)厚生労働大臣が述べた意見を尊重する」だったが、「ここだけ厚生労働大臣を入れるのは法案全体を見たときに違和感を生じるので横並びとしたい。また、総理が含まれることを担保したい」と交渉し、「(雇用指針に関し、)内閣総理大臣及び関係行政機関の長が述べた意見を尊重する」という総理のリーダーシップを残しつつ厚生労働大臣も関与できる形に落とし込んだ。そして、他の政党との交渉においても精緻な対応と果断な調整を続けた結果、自民、公明、民主、みんな、維新が法案に賛成するに至った。
 先の通常国会では、平議員が経済産業大臣政務官として法案の作成・成立に尽力していた電力システム改革を進めるための電気事業法改正案が、重要法案の成立より政局を優先した野党の方針で廃案(但し、その後の国会において成立)になった。それだけに、国家戦略特別区域法も政局に巻き込まれ、危うく電気事業法の二の舞になるかと思われた中、与党の最後の踏ん張りで成立したことについては強記したい。 〈秘書W〉
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