安倍総理は、新聞各紙で報じられたように、5月24日(土)に千葉県銚子市の"とある大学"の記念式典に出席された。総理が防衛大学校以外の大学の式典に出席されるのは異例である。その大学の名は千葉科学大学。実は、今年の4月から私は、この大学の大学院(東京サテライト校)で危機管理を学んでいる。
この式典で、安倍総理は「日本で唯一危機管理学部を持つ貴大学は、安倍内閣が危機管理を重視していることと方向性を一にしている」と述べられたとのことである。日々重要性が高まる危機管理の知識は、現代の政治家には不可欠と考えられる。こうしたことから私は、多忙を極める平議員の助けになれるようその修得に努めている。因みに学費は平議員持ちという対応をいただいている。
さて、先日この大学院で「医療危機管理」を学ぶ中、注目すべきデータに触れたので紹介したい。それは、「タバコの経済分析」というもので、タバコの経済メリットが、タバコ税、タバコ産業賃金などプラス2兆8,000億円であるのに対し、社会コストは、医療費、消防・清掃費などマイナス5兆6,000億円で、トータルで2兆8,000億円のマイナスというものであった。
通常、タバコ税で議論されるのは、増税した場合の税収に与える影響であるが、歳出まで考慮に入れるとコトはそう単純ではない。厚生労働省が公表している最新データでは、国民医療費(国全体の「保険診療の対象となる傷病の治療費」)に占める国税の割合は26%(地方税からは別途12%分を投入)で毎年10兆円ほどが支出されている。そして、その国税からの支出は、平成23年度が9兆9,250億円、平成24年度が10兆2,442億円、平成25年度が10兆5,587億円、平成26年度が11兆1,990億円と、毎年5,000億円程度増加し続けている。
今、自民党では法人税減税についての議論が活発であるが、その際も2020年にプライマリーバランスの黒字化を達成するには、経済成長を持続させることは勿論のこと、将来的には歳出の削減が必要との声が必ず聞かれる。そのような議論のときには、歳出増の原因にもしっかり目を向けなければならない。 〈秘書W〉