インターンのY・Mです。秋の臨時国会が始まり、野党はアベノミクスの一連の経済政策などによって、企業が正規雇用を減らし、非正規雇用を増やしているという趣旨の論陣を張っていますが、はたしてそうなのでしょうか。
私は以前、自民党の日本経済再生本部の会議に出席させていただきました。議題は、『アベノミクス2年目の課題 日本の雇用の現在とその仕組み、将来』(講師:神林龍 一橋大学院教授)という学生にとって興味深いテーマでした。
その際、増加が問題視されているわが国の非正規雇用者について具体的な説明があったので、それを記します。下のグラフ(総務省・労働力調査1983~2013年から筆者が作成)はここ30年の雇用形態別の労働者人口の推移です。これを見ると、確かに非正規雇用者が増加の途を辿っていることが明らかです。ただその一方で、自営業及び家族従業員の減少が著しく、両者を比較すると負の相関関係、つまり「自営業者及び家族従業員が減少する」と、「非正規雇用者が増加する」といった労働者間の移動構造が手に取るようにわかります(正規雇用者数は、ほぼ横ばいです)。
いわゆる雇用問題が取り上げられるとき、正規雇用者をリストラし、非正規雇用者を増やしているという筋書きばかり耳にしますが、このグラフに目をやると違う事実が見えてくるのではないでしょうか。そして必要なのは、減少し続ける自営業者や家族従業員、それに疲弊する日本経済をフォローする政策だと確信しました。