インターンのH・Hです。私は先日、日本におよそ13.7万人の実習生がいるとされる「外国人技能実習制度」の現状と課題をテーマとした自由民主党雇用問題調査会に出席しました。
私が通う大学の「グローバル化に伴う問題」に関する講義で、外国人技能実習制度について取り上げられたことがありますが、その際、送り出し国にて支払う違法な保証金の存在や技能の習得につながらない単純作業の強制などが問題視されていることを学びました。調査会ではこれらの問題にも触れられましたが、「技能実習を終えた人の98%が学んだことが役に立っている」と回答したグラフが示され、その数字を根拠に中央省庁の方々が本制度の成果を強調されました。私は自分の知識との違いを感じたものの、とりあえず受け入れましたが、会議後に平事務所の政策秘書の方とこの制度の評価について話した時、98%という数字は別の見方もできることに気付かされました。
配付された資料には、他にも「役に立った内容」についてのアンケート結果が掲載されていましたが、「習得した技能」は得票率の1位であったものの70%程度の数字でしかありません。外国人実習生は、「日本での生活経験」や「日本語能力の習得」といった技能実習とは直接関係しない部分で得たものが多かったため、98%が役に立ったと答え、制度趣旨である「習得した技能」に満足した人は全体の70%に満たないというのです。その話を聞いて、JITCO(公益財団法人国際研修機構)のホームページを調べると、技能実習制度の意義について『技能実習生へ技能等の移転を図り、その国の経済発展を担う人材育成を目的としたもので、我が国の国際協力・国際貢献の重要な一翼を担ってい』ると書かれており、ここに理念と現実のギャップがあることを知りました。
私は今回の聴講を通じて、与えられた情報を鵜呑みにするのではなく、入手した情報を総合して自ら判断することの重要性を実感しました。我々はメディア等を通じて毎日様々なニュースを得ています。非常に便利なことである一方、気を付けねばならない点もあります。メディアが正しい情報だけを報道したとしても編集の仕方次第で論調やニュアンスは大きく変わってしまうからです。何が正しいことかを考えながら普段とは異なる角度から政治の世界を見ることで、新しい発見が出来るかもしれません。