「僕らの一歩が日本を変える。」というNPO法人がある。「若者と政治に新しい出会いという機会を届けることで、若者が主体的に社会の中で行動をおこし、それによって社会も共に成長する、そんな『社会おこし』を目指し、活動している団体」である。公教育においては、教師のやる気や中立性の問題から、政治教育が少ない。それならば、「自分たちが若者の政治参加意識を高めよう」と奮い立った高校生の有志6人によって設立された。
同団体は、これまで、「高校生100人 × 国会議員」と称する、全国から永田町に集まった高校生100人と国会議員・有識者がこれからの日本について徹底的に議論するイベントを開催するなどの実績を積み重ねてきた、平議員は、このイベントに参加したり、自らが担当する自民党動画サイト"カフェスタ"に同団体メンバーをゲストとして招いたりするなど、彼らの活動を応援してきた。
団体の活動が軌道に乗ってきたときにその事件は起こった。2014年の解散総選挙に際し、前の代表理事が架空の小学4年生を名乗って、専用サイトを作った上で、様々な著名人や政治家に「どうして解散するんですか?」とtwitterで疑問を投げかけたのだ。これらは団体とは切り離された前代表理事の個人的な思いからの行動であったが、政治的中立性を保つべき当該NPO法人自体の関与があったのではないかと疑われ、激しい非難を浴びた。メンバーはマスコミに追われ、団体は活動する場所の確保さえままならない状況になった。そして、イベントの開催に当たり、スポンサー探しが難航するばかりでなく、高校生が参加を希望しても親の見る目が厳しくなり実現に至らないことが多くなった。また、団体の活動意義をよく知らない子たちは「ああ、あれね~」と距離を置く。さらに、ネット社会の影響も大きく、メンバーらは実名で誹謗中傷されるのみならず、顔写真その他の個人情報までもが列挙された。
それでも団体は、「社会をおこして、明日をつくる。」ため、勇気を振り絞って、もう一度歩き始めることを決めた。8月には、議員会館の真夏の定番ともなってきた「高校生100人 × 国会議員」を行う。しかし、謝罪を繰り返してきても団体の信頼はガタ落ちしたままで、国会議員が集まってくれるか不安な日々を送っているという。確かに悪いことは悪いが、是々非々で考えたり、ちょっとした過ちを許したりして、彼らの前向きな行動を応援することはできないのか。このようなときこそ政治家の人間性が問われる。平議員もリツイートした政治家として偽ってカウントされるなど当該事件の影響を少なからず受けたが、若者の未来を案じるだけで取り立てて責めない。
この6月8日のカフェスタにゲスト出演した新代表理事は、生放送の終了後、緊張感から解放されたこともあり笑顔が溢れていた、色んな事がありメンバーも半分になったのに実は芯が強い。他方で、そのような彼・彼女を安全圏から攻撃する人間がいる。私は、特に若い人の再チャレンジに寛容な社会であってほしいと強く願う(奇しくも平議員は再チャレンジ担当副大臣)。そして、負けないで「僕らの"再出発の"一歩が日本を変える。」のムーブメントを! 〈秘書W〉