国会閉会中の議員はどこでどのような活動をしているのか。国会議員に向けたこうした漠然とした疑問は私を含めて誰しも抱くものだと思います。平将明事務所でインターンをさせていただく中で、閉会中であっても多忙な議員の方々の日常を垣間見ることができました。今回はその一端をお伝えしたいと思います。
私がインターンをさせていただくことになったのは、本年の国会閉会後の11月からですが、その間、平代議士は水産庁を呼んで日本近海の水産資源管理の方向性について協議したり、地方創生の理解促進を図るための講演会の講師として東奔西走したりするなど、国会閉会中であっても間断なく政策に携わっている様子がうかがえました。他の議員に関しても、党本部で連日のように開かれている政務調査会の会合で、政府の施策を説明する役所側に対して、厳しい質問をしたり激しく意見をしたりする様子を直に見ることができました。そうした中で強く印象に残っているのはTPPを議題とする農林部会でした。農林部会はTPP対策を11月中にとりまとめるということで、毎日開催されていましたが、議員からの論議が百出し、一時間という予定時間内におさめることが難しい白熱振りでした。
ある日の農林部会のことです。政府側が提示した資料にはTPPによる農産物への影響を分析した結果が示されていましたが、オレンジやりんご、かぼちゃ、砂糖など幅広い品目で「特段の影響は見込まれない」や「影響は限定的」といった文言が並んでいたため、議員からは「TPPの影響について、各品目でいくら輸出入が変化するのか、それによってどのくらい利益に影響が出るのか明確に示してほしい」といった指摘がされました。また、政府の分析が日本全体としての評価であって、個々の農家から見た視点に欠けることもあり、「これでは農家が抱える不安を払拭することにはつながらない」といった叱責に近い発言も上がりました。
このように部会では、活発に意見が出されていました。私は、このような活発な議論の中で多様な意見に耳を傾け、妥当な意見を取り入れることが政策形成において重要だと考えています。多様な意見を調整することによって、より良い政策になると信じているからです。今回のTPPを巡る議論においても、与党内だけでこれだけ活発な議論が行われているということから、野党との調整は更に厳しいものとなるでしょう。しかし、こうしたやり取りを繰り返し、お互いの一致点を見出し、多様な意見を取り込んでいくことが、政治の役割の一つではないかと、閉会中の議員の活動を見る中で思いました。
〈インターンT・O〉