「OPEN POLITICS」が被選挙権年齢の引き下げを目指してキャンペーンを開始した(http://open-politics.org/about/)。この団体は、G1サミット(日本を代表する政治家や実業家が一堂に会して討議する場)の大学生版"G1カレッジ"が発祥で、G1カレッジには、起業して会社経営する人、国際社会で汗を流す人など様々な分野で活躍する25歳以下の若者が集まったが、政治の分野だけは誰もいなかった。その原因に「被選挙権年齢25歳以上または30歳以上」という壁があるのなら、これを引き下げて同世代の人が活躍できる場にすべきだ。そういう思いが今回の動きにつながったという。
平議員は、G1カレッジのボードメンバーの立場からキャンペーン開始の記者会見に出席し、「選挙権年齢を18歳に下げたなら被選挙権年齢も下げるのが合理的だ。そうしないと、被選挙権年齢30歳以上の参議院議員選挙では、一回り上の世代に投票することになる。未熟と言うが、若い人には情熱、感性、行動力がある」と応援の挨拶をした。記者会見に招かれた各政党も、一様に被選挙権年齢の引き下げについて積極的なコメントをしていた。
たとえば、選挙における投票総数が今の規模のままで、今年7月に新たに選挙権の対象となる240万人(18歳、19歳の人口はそれぞれ120万人程度)全員が自分の政党だけに投票してくれるとすると、参議院の全国比例区では2議席分確保できる計算になる。さらに、選挙権を得ているもののいまだ全ての被選挙権を得られていない20~24歳までを加えて考えると、およそ120万人×7年=840万人で、これは前回の2013年参議院選挙の全国比例区で民主党が獲得した7議席(713万票)よりも多い8議席を獲得できる数字になる。各政党とも少しでも若者の票の掘り起こしにつながればという目論見があるのかもしれないが、それでも行動を起こした若者にとって心強い言葉の数々だった。
実は、この国会議員8議席分という数は、政治団体を作れば「所属国会議員が5人以上」という政党要件を満たすので政党交付金を受けられ、参議院で会派を作れば本会議で総理に対して代表質問もできる数だ。そして、キャンペーンが実を結んで、被選挙権年齢が引き下げられ、この若い世代が自ら立候補し、若い世代すべてが自らの世代に投票したらどうなるか。それは、若者だけの政党が政党交付金による政治活動費を得て、若者の視点から国会で総理に質問をしたり立法活動を行ったりできることを意味する。若者だけでも政治的に大きな役割を果たすことができるのだ。
いずれにしても、自民党からは青年局次長の小林史明議員が出席し、青年局として、被選挙権年齢の引き下げ、供託金の軽減、インターネット投票の実現、この3つを党の選挙公約に入れるよう働き掛けていくことを表明するなど、各政党が垣根を超えて集まって賛意を示したからには、政局の結果、何も進みませんでした、ということだけは避けなければならない。 〈秘書W〉